池田学 マディソン滞在制作日記


by mag-ikeda

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池田学 / IKEDA Manabu

画家。1973年佐賀県多久市生まれ。1998年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。
2000年同大学院修士課程を修了。 2011年から1年間、文化庁の芸術家海外研修制度でカナダのバンクーバーに滞在。
2013年6 月末より、アメリカ・ウィスコンシン州マディソンにて滞在制作を開始。

バンクーバー日記


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第1便 「到着」

2年半生活したバンクーバーから5時間のフライト。
ロッキー山脈を超えてまもなく、眼下には平野が広がり始めました。
目的地のシカゴに着く頃にはどこまでも広がるモザイク模様の畑、畑、畑….。
山どころかちょっとした起伏すら見えません。
山に慣れ親しんだ僕には不安すら覚えます。
どこにも隠れ場所のない草原で頭上の敵からおびえて暮らす野うさぎって、こんな心境なのかな…などと考えているうちに飛行機は無事にシカゴに着陸。


空港では館長さんがあらかじめリムジンを手配して下さっていました。
ここからハイウェイを走ること約2時間半でこれからお世話になる街、マディソンに到着です。
車内から見る景色はどこまで行っても地平線。
夏特有の湿気を帯びた熱気と、スモッグなのか薄曇った空気の向こうから西日が容赦なく照りつけます。
ついさっきまでいたクリアで涼しいバンクーバーとは大違い。


景色も温度も天候も違う。ここはもうカナダではなくアメリカなのだ。


そう思うと緊張と不安からか、思わず呼吸が浅くなります。
でもきっと、これからの3年間は自分の人生の中でとても重要な期間になるだろうし、そうしなければいけない。
バンクーバーに比べて辛い環境かもしれないけど、それも自分が選んだ道。
むしろ作品のためにはいろいろな誘惑がなく集中できるいい場所なのかもしれない。妻や子供には悪いけれど。


そういうことをいろいろと考えているうちにいつしか眠っていたらしく、
ゴウゴウという音で目を覚ますと、さっきとは一転、信じられないような豪雨の中を車は走っています。
そして猛烈な稲光。

すごい。
なんという激しい天候。
恐ろしいほど広くて暗い空のいたるところから、好き勝手に落ちてくる稲妻たち。
どんなに逃げ回ろうが、この平原では文字通り逃げも隠れも出来ません。
雷に打たれるか否かは運次第なのです。


ああ、もう来てしまったものは仕方がない。
そっちが向かってくるのなら、こっちはぶつかっていくだけの事。
この雨の中を突き進むリムジンが自分のこれからと重なって、気持ちがスッと切り替わりました。


休暇ボケした精神を叩き起こすに十分な、手荒い天気の歓迎でした。

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by mag-ikeda | 2013-08-23 19:52 | Comments(0)