池田学 マディソン滞在制作日記


by mag-ikeda

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池田学 / IKEDA Manabu

画家。1973年佐賀県多久市生まれ。1998年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。
2000年同大学院修士課程を修了。 2011年から1年間、文化庁の芸術家海外研修制度でカナダのバンクーバーに滞在。
2013年6 月末より、アメリカ・ウィスコンシン州マディソンにて滞在制作を開始。

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第32便「大寒波」

1月に入り寒さもますます厳しくなってきました。
気温は日中でもマイナス10℃前後で夜はマイナス20℃近くまで下がりますが、もうこうなってくるとあまり温度の違いがわからなくなり、ただざっくりと「寒い」と言うよりほかありません。
考えてみると昼と夜の気温差は10℃近くあるわけで、10℃の差と言うとかなり大きいものです。
例えば1℃と10℃では全然違うし10℃と20℃では季節まで変わってしまうほど。
ところがマイナス10くらいから先はなんだかもう、同じというか、人間そこまで繊細にマイナスの違いを感じるセンサーは持ち合わせていないのでしょうか?
それともウィスコンシンの人は敏感に感じ取れてるのかしらん?


もう一つの理由としてここまで寒いと外を長時間歩くという事も無くほとんどは暖かい室内の中。
外気に触れる事といえば車を降りて店内までとか、ちょっとバスを待つ間くらい。
もう少し長い時間外にいればそれらの温度差ももっと感じられるのかもしれませんが。
また雪や風の日などの悪天候が意外と少ないので、体感温度がそれほど下がらないというのも理由の一つかもしれません。


よく日本の人に「寒さ大丈夫?」「道路が凍結して大変でしょう?」となどと聞かれますが実際住んでいるこちら側はそういうわけでまったく大丈夫。
むしろ日本の実家の方が底冷えして寒いくらいです。
僕も含めここまで本格的に寒い場所に住んだことのない人達からは「どんだけ寒いんだろう」という想像すら難しいと思うのですが、こっちへ来て驚いた事が一つ。

雪が溶けない。

日本では雪は降っては溶けるもの。しばらくすると泥まみれの雪が路肩に溜まって汚かったり、夜になると凍ったりするもんだからなかなか厄介な代物です。
ところがこっちでは毎日氷点下なので溶けるという事がない。
湿気の少ないパラパラとした雪が降り、降った分だけそのまま積もっていきます。
数日たってもさらさらの片栗粉のような状態のままで、雪というよりなんか白い粉のよう。
もちろんかまくらや雪だるま作りにはむきません。

それからもう一つ驚いたのは除雪のすばやさ。
さすが雪国というべきか降って数時間もすればどこからともなく除雪車がわらわら現れ綺麗さっぱり掃除してしまうので主な道路には雪がほとんどありません。
東京のようにモタモタしていたらあっという間に都市機能がマヒしてしまいますもんね。
さらに塩を大量にまくので翌日にはほとんどの道路や歩道からは雪が無くなりますが車はそのぶん塩まみれに。
こまめに洗車をしないとサビだらけになってしまいます。


こんなわけで日本の冬景色とはずいぶん違うことが分かってはきたのですが、先週の大寒波はこの寒さ慣れしたマディソンをもってしてもやはり大変なものだったようです。
なにしろマイナス27℃、体感温度はなんとマイナス45℃!
20年ぶりくらいの記録的な寒さという事で学校は2日間休校に。
暖かい部屋の中から見る外の様子はお日様も出て一見穏やかそう。
ラジオでしきりに言ってる「危険な気温」とはとても思えません。どんなに寒いのか外に出てみようと思い温度計片手にカメラを持って裏庭に。
奥から妻の「手袋は?」の声に「シャッター押しづらいからいいや。」
前述のマイナス10も20も変わんないという気持ちもあってそのままフラっと出たのが運の尽きでした...

外に出たその空気の冷たさよ!
日光は出ているものの、その刺さるほどの空気はたしかに殺気すら感じる!
深呼吸したら肺が凍ると言われていたのでネックウォーマー越しに静かに呼吸します。
手に持っていた温度計はみるみる下がっていきますがそれすら待ちきれないほどの寒さにピュンピュン軽く降って下降を促進します。
わずかに動かしただけなのにその冷たい事といったら。
さらに促そうともう一度降ったその刹那、猛烈な痛みが!そうです、凍傷になり始めたのです。
この間わずか数分。
指は凍てつき感覚が無くなり、とにかくシャッターだけ押して急いで部屋に。


幸いすぐにさすって暖めたので大事には至りませんでしたが、その凍った両手の冷たさには真剣に焦りました。
完全にナメていた氷点下の恐ろしさ。
左手の小指だけはその日いっぱい痺れていました。

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by mag-ikeda | 2014-02-08 17:07 | Comments(0)

第31便「オープニング」

チェイゼンミュージアムでの展覧会がいよいよ始まりました。
今回は天明屋尚(てんみょうやひさし)さんと僕の二人展で、この美術館所蔵の作品がメイン。その他にも数点が各地のコレクターから集められて展示されています。
展示期間は約2ヶ月間。
日本の美術、そしてレジデンスアーティストである僕をマディソンの人達に紹介する目的も兼ねたこの展覧会、翌日からは僕のスタジオの一般公開も始まり、いよいよ全てが動き出したという感があります。


オープニングでは地元の人達や各関係者の方々も訪れ、ギターの生演奏の流れる中で和やかな幕開けとなりました。
自分も過去の作品達と久しぶりの再会。
どれも描いてから数年が経っているのでフレッシュな目で眺めることができます。
制作中はそれぞれに気に入らない部分がありそこが最後まで気になってしかたなかったのですが、時間を隔てた今ではそれらは一旦綺麗に均されて、全く気にならないから不思議です。
それどころかまるで他人の作品のように新鮮な気持ちで見入ってしまいました。


天明屋さんの作品は赤い砂で作られた枯山水のインスタレーションもあり、美術館スタッフのジェロさんが前日から数時間をかけて砂に模様を再現。
禅を習っている彼にとっては精神を集中するその作業は楽しいことこの上ないらしく、ものすごい気合いで作り上げましたが、なんとオープニングに誰かが砂を触ったらしく一部模様がこわされるというハプニング!
さぞショックかと思いきや「寺のお坊さんのように毎朝掃き清めるさ」と平気な顔。珍しいアメリカ人です。


また日本人の展覧会ということもあってか日本語を勉強している学生もけっこう来てくれて、僕と日本語での自己紹介。
かなり緊張してるのか顔を赤らめてもじもじ恥ずかしそうに日本語を話す彼女ら。
普段勉強しててもネイティブの日本人と話すのは気後れするのでしょう。
いつも全く同じ気持ちを抱えながら英語を喋ってる僕にとって、この気持ちは痛いほど分かります。
みんな外国語を話すのは恥ずかしいのです。
アメリカ人でも立場が変われば同じなんだという安心感と、上手くなくても話そうとする事の大切さを彼女らを通して再確認しました。


そんなこんなでオープニングレセプションの2時間はあっという間に終了。
慌ただしくてみんなとほとんど喋れないのが残念でしたがこれからの2ヶ月、たくさんの人に観に来て欲しいです。

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by mag-ikeda | 2014-02-01 15:30 | Comments(0)