池田学 マディソン滞在制作日記


by mag-ikeda

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池田学 / IKEDA Manabu

画家。1973年佐賀県多久市生まれ。1998年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。
2000年同大学院修士課程を修了。 2011年から1年間、文化庁の芸術家海外研修制度でカナダのバンクーバーに滞在。
2013年6 月末より、アメリカ・ウィスコンシン州マディソンにて滞在制作を開始。

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第52便「Garden of Unearthly Delights 展 後編」

三度目のニューヨークにやってきました。
今回の目的は4年前と同じジャパンソサエティギャラリーでのグループ展への参加、それに伴うオープニング関連のイベントに出席するためです。
参加アーティストは僕、天明屋尚さん、チームラボの3組。
僕の展示は昨年の冬のチェイゼン美術館で見せた作品群に加え、2008年の個展以来、久しぶりに公の場でのお披露目となる現時点で一番大きな作品の「予兆」。


ギャラリーに着くなりいくつかのインタビューや写真撮影。それらを終え、これからの数日間は報道向けのプレス内覧会、VIP内覧会にメンバーオープニング、一般オープニングにアーティストトーク….と続きます。
会場の設営や取材の対応に追われ、華やいだ中にも慌ただしく動き回るギャラリースタッフの人達。
各アーティストの部屋ごとにそれぞれ違った雰囲気で展示され、今は静かにその時を待っている作品群。
まだ陽が高く明るい会場にも、ピンとした緊張感が漂っています。
4年前のグループ展と違って、自分ではずいぶんリラックスしていたものの、やはり会場に人が集まり始めるとどこか落ち着かなくなってつい会場を何周もしてしまいました。


午後から始まったプレス内覧会。
そこで嬉しい偶然がありました。
朝日新聞のニューヨーク支社の方がなんと、霞ヶ関で法廷画を描いていた頃に大変お世話になった記者さんではないですか!
2年前からニューヨーク勤務になり、偶然展覧会案内の中に’’池田学’’という名前を見つけて、ひょっとしたらと思って来てみたとのこと。
思い起こせば裁判所の記者室で次々に入ってくる裁判の様子を分刻みの慌ただしさで記事にまとめ、デスクに送り、修正して、、と戦場さながらに走り回っていた記者さん。
かたや僕も原画の入校が遅れればその日の新聞の記事内容が飛んでしまうため、絵の仕上げに必死でした。
世間話すらする時間が無かったあの頃から数年後、今度はニューヨークで、しかも裁判画ではなく自分の本職の絵をようやく見てもらえたということが本当に嬉しく、あの日々が今日に繋がっていたと証明された瞬間に立ち会えて、胸が熱くなりました。


そして夕方から始まったVIPオープニング。
あたりが暗くなってくるにつれギャラリーは次第に活気づき、気がつけばたくさんの人、人、人!
一階のロビーは人いきれでちょっと蒸し暑いほどです。
この日のために日本からはギャラリーオーナーの三潴さん、チェイゼン美術館の館長さんもマディソンから来てくださいました。
メトロポリタン美術館の日本館キュレーター、ジョンさんや例の大物コレクタージョン・フェランさんも来てくれました。
さすがニューヨーク、日本人の方々もたくさん。中にはテレビや雑誌などでお見かけした人も。
それ以外にも友人、知人も含めてたくさんの人が駆けつけてくれ、作品説明をしたり再会を喜んだりと水を飲む暇もないほどでしたが、僕にとってはこの時間、ロビーで飲めないお酒片手にウロウロしてるよりよっぽど楽しいのです。


部屋の中でコツコツ描いている数年間はほとんど人と交わる事もなく、いわば自分の世界という土の中を黙々と掘り進んでいる蝉の幼虫みたいなもんです。
家族以外の人と話す事も少ないので声帯の筋肉も衰え、長年同じ姿勢をとり過ぎた結果、背中も丸くなってしまいました。
僕にとって絵を描く事は、「自分の思い描いたイメージを形にしたいから」という本能的欲求であるのはもちろんですが、それと同等に「作品を通して人と関わりたい」というのがあります。
どうやったら人が面白いと思えるようなアイデアや構図を盛り込めるか。
頭の中のほとんどはこれで占められています。
常に第三者の視点を意識しながら制作するというこの姿勢は、学生時代にデザイン科で擦り込まれてきたデザインの考え方に由来しているのかもしれません。

まさに土から出て日射しをいっぱいに浴びているこの限られた時間は、人々の表情や様子を垣間見たり直接感想を聞いたり、絵を通してコミュニケーションができる数少ないチャンスなのです。
そしてそこで得たたくさんの言葉や刺激が、次の数年分の栄養となるのです。


わずか一週間と短い滞在ですが、とにかく楽しみです!!

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by mag-ikeda | 2015-03-23 17:51

第51便「Garden of Unearthly Delights 展 前編」

今回で三度目のニューヨーク。
最初は震災直後の2011年に展覧会で、二度目はその翌年の夏に観光で。
そして今回は日本人作家3組の展覧会のオープニングイベントに出席するためにやってきました。


会場は前回と同じジャパンソサエティギャラリー。
3組の作家はネオ日本画の天明屋尚さん、映像集団チームラボと僕。
チェイゼン美術館の館長さんが3年前のここでの展示「Bye Bye Kitty!!! 展」を見ていなければ、今のマディソン生活はありませんでした。
それ故に僕にとっては思い入れの深い場所。
今回の展示もまたどこかの未来と繋がっているかもしれません。


マディソンから飛行機で1時間半。
空港からタクシーでそのまますぐにギャラリーへ。
ニューヨークのダウンタウンに近づくにつれ都会嫌いの僕でもなぜかワクワクしてきます。
使い古された言葉でいうなら人種のるつぼで刺激的ということでしょうが、僕には何か都市の形をした巨大な生き物の体内に入っていくような錯覚を覚えるのです。


会場についてひととおりの取材や写真撮影を終え、作品群と久しぶりの対面。
今回は現時点での僕の最大の作品「予兆」も海を越えてやってきました。
この作品は2008年に制作した大きな波の絵ですが、震災の津波を連想させるということで2011年以降はどこにも展示されていませんでした。
今回いろいろな困難を乗り越え、こうしてニューヨークでお披露目できたということが本当に嬉しく、コレクターの方や関係者の皆様には本当に感謝しています。
「予兆」意外にもチェイゼン美術館に収蔵されている「Meltdown」やマディソンで制作した版画、過去のスケッチなど大小含めて十数点の作品がそれぞれ淡いブルーにペイントされた壁の上に飾られています。
それぞれが自分の持ち場を与えられ、照明を浴びて、これから始まる一連のイベントにむけてどこか緊張した面持ちにも見えます。


感慨深げに自分の作品を眺めている時間も束の間、会場が慌ただしくなってきました。
これからの5日間、雑誌や新聞などプレス関係者の内覧会に始まり、VIPの内覧会、メンバーオープニングに一般のオープニング、ギャラリートークと続きます!


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by mag-ikeda | 2015-03-14 11:48