池田学 マディソン滞在制作日記


by mag-ikeda

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池田学 / IKEDA Manabu

画家。1973年佐賀県多久市生まれ。1998年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。
2000年同大学院修士課程を修了。 2011年から1年間、文化庁の芸術家海外研修制度でカナダのバンクーバーに滞在。
2013年6 月末より、アメリカ・ウィスコンシン州マディソンにて滞在制作を開始。

バンクーバー日記


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第46便「コロラドロードトリップ前編」

ギャラリーの担当者から、「アメリカのあるコレクターさんがコロラド州のアスペンという街で開かれるアートイベントに池田さんを招待してくださるそうです」との連絡を受けたのが5月中旬。

「アスペンと言えばスキーヤーにとって憧れの場所!行ってみたい!!」
と二つ返事でOKし、その後のやり取りを経て7月終盤から10日間、サンフランシスコ以来2度目のロングトリップを決行することに。
もともと招待されたのは僕1人、飛行機代も出してくれることになってたのだが、毎日育児と家事をこなす妻のためにも、制作疲れした目と脳を休めるためにも、ここはゆっくり家族で行こうということで走行距離約1800キロのドライブに出発することになったのでした!

旅の予定は以下ざっと、
最初はネブラスカ州のオマハで一泊、翌日はコロラドのデンバーで一泊、そして翌日アスペン到着。
アスペンでいくつかのイベントに出席して5日間を過ごし、帰りは同じ経路で帰ってくる。
運転は妻と交代で毎日7時間程度、子供がいるからそのくらいが限度でしょう。


さてマディソンを早朝出発した車はアイオワ州を越えネブラスカ州へ。

……….これが…...行けども行けども平坦な一本道で退屈なことこのうえ無し…...
左右はコーン畑かポテト畑がこれでもかというほど広がり、何時間走っても全く変わらない風景はアメリカのでかさを嫌が上でも体感できる。
また日本と違いサービスエリアなどは存在しないので途中でどっかに立ち寄る楽しみもなく、ただただ修行のよう。
車に付いてるクルーズ機能を使って速度を130キロに設定し、ハンドルさえ持っていれば後は勝手に同じ速度で走り続けてくれるものの、それはそれで眠気を誘うし…...。

ほんとにこんだけデカいと、そりゃあ環境に対する考え方だって違って当然だわな~。
小さいアパートの限られたスペースを有効に使わないと狭くて暮らしていけない住人と、生まれつき土地のあり余った豪邸出身者とで同じ価値観を共有しようとする方がバカらしい。

そんなことを何回考えただろうか、夕方近くにようやくオマハへ到着。
ネブラスカ1の都会オマハでは特にすることもなく、ホテル到着後は夕飯食べてさっさと就寝。
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風力発電の羽根を運ぶトレーラー
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もうほんとにずっと、こんなです。

そしてドライブ2日目も延々と続く畑地獄!
運転中は小さい虫がピチッピチッっとフロントガラスにぶつかり、ガソリンスタンドでは車の前面にそうしてこびりついた虫の体液を落とすのが子供の仕事。
もう一生分畑は見たという頃、ようやくコロラド州に入りました。
ついでに時差で1時間時計が戻り、コロラドの印象もグンとUPです。

コロラドに入ってからは次第に地面が膨らみ始め、山が近くなってきたことを予感させます。
山から離れてはや1年。早く会いたいあの景色!
デンバー市内に入った頃はあいにくの大雨で山の景色は拝めませんでしたが、山の近くにいるというだけでなんか安心するんだよなぁ。


翌日はいよいよアスペン目指して山路に入ります。
ここの道中は観光名所だらけ、至る所に胸を打つような景観が広がっています。
昨日までとは打って変わってドライブの楽しいこと!
アスペンまでの道すがら、車はどんどんロッキー山脈の奥へと入っていき、高度が上がるごとにハッとするような岩や渓谷が顔を出し、車の中は右に左に首を振るのに大忙し!
さらに続々と現れる有名スキー場の看板、そしてゲレンデ。
あいにく夏ということで雪はないまでも、そのむき出しになったコースの様子からとんでもない規模であることが伺えます。
もうこれだけでここに来た意味があったというもの。
マディソンでの鬱屈したスキー欲がこれだけで満たされたような気すらしました。
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アスペンまで後1時間というところにあるということを聞きつけ、立ち寄ってみたこの温泉。
温泉と言っても日本のとは趣が全く違い、巨大な温水プールみたいなもの。
とはいえ何につけてもでかいアメリカ。
子供達はあったかい巨大プールに大喜びで、これまでチャイルドシートに括り付けられてた鬱憤を晴らすかのよう!
大人達はプール横の巨大浴槽で疲れを癒します。
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温泉でゆっくり疲れを癒し、夕方遅く無事にアスペンの街に辿り着きました。
泊まるところもコレクターさんの計らいで素敵なホテルが用意されています。


だがしかし、このアスペンであんなに衝撃的なものを見ることになるとは、
この時は予感すらしていなかったのです…..。

(続く)
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# by mag-ikeda | 2014-10-25 22:02

第45便「自転車2」

自転車が欲しいと言う妻の要望に応えるべく、自転車屋さんに行ってきました。
さすがマディソン、小さい街なのにその自転車屋さんの多さよ!
新車から中古車まで驚きの品揃え。

ウィスコンシンにいるからにはもちろん地元ブランド「TREK」しかないだろうということで
やってきたはいいがこの種類の多さ…..

これだけあると逆に選べない。
きっと途中から飾ること自体が楽しくなっちゃったんだろうな~

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# by mag-ikeda | 2014-10-11 19:47

第44便「1/3年」

去年の8月から描き始めた作品もようやく1年を過ぎました。
とはいっても毎週火曜日から金曜日までの週4日、しかも朝9時から夕方5時までと限られた時間なので、実質は365日のうち200日ちょっと?
さらに出産や一時帰国で2ヶ月ほど描いてないのでもっと少ないくらいです。

それでも家で描いてた時と比べるとペースは早く、リズムを保って集中して制作することがいかに効率的かを教えてくれます。
また毎日1時間の公開制作も観客の反応を生で感じる事が出来るので、モチベーションを上げるうえでは大切な時間の一つ。
描き始める前までは予想もしなかったこの会社勤めのような通勤スタイルが僕にはぴったり合っているようです。



この一年間、「災害からの復興」をテーマに、とにかく震災の記憶を自分の中に焼き付けるように累々と瓦礫の山を描いてきました。
が、そのうちその風景の中に救いを見いだすことが出来ず、気持ちまでも鬱々としてきたのです。
なにより自分で直接体験していない震災を描くことは自分にとってはドキュメント半分、ファンタジー半分のようなものですが、実際に経験した人達から見ると現実にあった悲劇を絵でまた再現されて、もうこれ以上こんなもの見たくもないんじゃないか。
自分は一体誰の為にこれを描いているのか。
せっかく描くのなら絵を通して少しでも人々を元気づけたいという思いもあります。

絵だからこそ、見てて面白くなきゃ。
震災以降楽しげな絵を描きたくなかった自分の気持ちも、そうしてまたゆっくりと元に戻りつつあります。
画面の左から始まった景色が右に行くに従って徐々にユーモラスなものに変わっていくのもそうした気持ちの変化の表れです。
一枚の絵の中ではたかだか画面の右と左ですが、そこには1年間の時間が凝縮されているということが、描いた本人でさえも忘れてしまいがちになるから不思議なもんです。
テーマも同様、復興から「災害との共存」という風に少しニュアンスが変わってきました。
作品と同じくテーマ自体も刻々と変わるので現時点ではこうだけど来年にはどうなってるんだか。


プロセスの上では下部が完成したといっても本番はここから先、中部と上部。
山で言うと五合目から先。
振り返ってみると下部はあまり構図や全体感は気にせず、好きなものをつらつらと描いていればいいので楽でした。
姿勢的にも座って描けるしそこまで辛くありません。
しかし中部になってくると格段に緊張感が増してきます。
何しろそこに描くものがそのまま絵のテーマや構図に直接影響してしまうので、岩の一つ、木の枝の一本をとっても長いこと考慮したうえで決断しペンを入れなければなりません。
絵の核心部ともいえる中部、ここからの1年は自問自答と決断の連続で考えただけでもちょっと気が滅入りそうだけど
とにかく手を動かし続けるしか道はありません。



早く終わって欲しいようなこのままずっと続いて欲しいような、痺れるような日々。

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# by mag-ikeda | 2014-10-02 21:39

第43便「スケッチ」

これまではあまりスケッチを描いたりすることはありませんでした。
持っていくのがめんどくさいし、スケッチしてるくらいだったら遊んでた方がいい、なによりスケッチ→本番と二度描いたら飽きちゃいそう。
いい景色を見つけたらそれを写真に撮って、後で作品として臨んだ方がスケッチで何となく描くよりもっと具体的に再現できる。

そんな理由からでしたが、最近はスケッチそれ自体も作品の一つとして取り組みたくなってきました。
でもあまり気負うとストレスになるので、試合前のウォームアップのような感じで気になったものや風景、子供などを思うがままに描いています。

適当に適当に。
考えないで考えないで。
これがなかなか難しい。

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# by mag-ikeda | 2014-09-18 13:02

第42便 「自転車1」

先日アメリカで一番緑の多い都市に選ばれたマディソン!
確かに緑が多い!....けれども同じくらい緑の多かったバンクーバーから来た者にとってはもう慣れてしまってるのか、どこがそんなにすごいのかいまいち実感が湧きません。
理由はきっといくつかあって、

その1….慣れてしまった。(おそらく東京から来たばかりであれば相当驚いた。)
その2….アメリカの他の都市をそこまで知らない。(比べる基準がバンクーバーとは何とも贅沢だと思います。)
その3….マディソン全体をまだよく知らない。(一度ドライブしてみればその実力に驚くかも。)

というところですが、ある人の話では「緑の多い」という基準が単に緑そのものの量よりも、公園や街路樹などの整備がよく行き届いているという意味だということも聞きました。
それなら確かに納得できます。
マディソンには大小さまざまな公園がいくつもあって、公園とまではいかないながらもちょっとした芝生の広場までいれると無数にあると言っていいくらいです。
しかもそれらがいつもきちんと刈られている。
ここにいるとそれは普通の光景だけど、手入れするにも費用がかかるので、他の州ではこんなにきれいには行き届かないんだとか。
なるほど、うなずけます。


そんな緑の中を毎日30分かけて自転車で通うワタクシ。
最初は辛かった通勤も今ではすっかり慣れました。
何より朝の清々しい中、走る緑の美しさよ!
そして夕方の優しい西日に包まれる草の匂いもまたいとをかし。

マディソンは自転車に優しい街としても有名で、自転車道がいたるところに通っているのでサイクリストには最高かもしれません。
起伏に乏しい土地柄ゆえか、それともアメリカ人の好みか、乗ってる人の多くはロードバイクといういわゆるタイヤの細い競技用のものが多く、自転車道では頭からつま先までバッチリ決めた
サイクリストが必死にこいでる60ドルの僕の自転車を気持ちよく追い越していきます。
最初の頃は女の子にもおじいちゃんにもどんどん抜かされるのがショックで、アメリカ人の体力を思い知らされた感がしましたが、
どうやらそれは自転車の性能の差だということが分かり安心しております。
時々重そうなママチャリに抜かれることもありますが、その時は自分はアーティストだからと言い聞かせて自尊心を保っております。

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# by mag-ikeda | 2014-09-02 21:15