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池田学 マディソン滞在制作日記


by mag-ikeda

池田学 / IKEDA Manabu

画家。1973年佐賀県多久市生まれ。1998年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。
2000年同大学院修士課程を修了。 2011年から1年間、文化庁の芸術家海外研修制度でカナダのバンクーバーに滞在。
2013年6 月末より、アメリカ・ウィスコンシン州マディソンにて滞在制作を開始。

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【第100便】「自粛中のサプライズ」

家族が日本から帰ってきて一ヶ月がたち、表面上は普段の日常が戻ってきました。

離れていた3ヶ月の間に自宅の地下室や庭を改造して子供の遊び場に変えていたおかげで、今なお続く自宅滞在の中にあっても子供達は退屈することなく遊び、妻も緑に包まれた静かな環境で心の平穏を取り戻しているように感じます。


子供達の学校は3月以降休校になり、そのまま再開されることなく、6月をもって長い夏休みに入ってしまいました。

普段なら学校でちょっとした終業式のイベントがあるのが今年はコロナで一切なし、特に今年は長女が小学校を卒業なのでちょっと寂しいな…と思っていたところに届いた学校からの一通のメール。

「カーパレードをやるので住所をお知らせください」との事。どうやら先生が生徒一人一人の自宅の前を車で通り、卒業記念のお祝いをしてくれるみたいです。

おそらく先生が玄関先で車の中から何か記念品を渡してくれるのでしょう。何もないよりはありがたいなと思い住所を知らせて、さてその当日。

前日にはご丁寧にパレードの道順、家の前を通る時間などが記された地図が届き、ちょっと大げさだな~と思いつつも一応外に出て先生の車を待ちます。

近所の子達も皆それぞれの家の前に出て待つこと20分。

と、けたたましいクラクションが響き始め、明らかに騒々しい軍団がこちらに近づいてくる!と思ったらなんとそれが先生達のクルマの大行列!

思い思いに華々しくデコレーションされたクルマがクラクションを鳴らし、中から先生達が手を振りながら生徒の名前を呼んだり、「卒業おめでとう!」「楽しい夏休みを!」などと叫びながら40台ほどのパレードの一団となって通っていく様はまるでカーニバルのようです!

てっきり担任の先生がコロナで自粛中だからとひっそり来てくれると想像していた我々は思わぬサプライズにビックリ仰天、そして大喜び。

もちろんソーシャルディスタンスは厳しく守られているので先生達はそれぞれ自分の車に一人で乗り、子供達から先生にクルマ越しに何かを手渡したりなどの接触も一切禁止で、ただ観客として先生達のカーパレードを見ているだけでしたが、こうした状況下でも必要以上に下を向かずに何か工夫して明るく楽しむという前向きな姿勢は、日本で育った我々にはちょっと思いつかない発想で、素晴らしいと思いました。


人種差別問題でデモや暴動が起きたり、コロナの患者数がいまだに増え続けているなど深刻な問題ばかりが報道されますが、こうして状況をポジティブに打開して楽しんでいこうという考え方もまたアメリカの側面で、それによって救われている部分も僕ら住民にとっては少なくありません。


(佐賀新聞2020年7月掲載)

【第100便】「自粛中のサプライズ」_b0290617_12123147.jpeg


次回は8月21日(土)更新予定です。


by mag-ikeda | 2021-08-14 12:21