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池田学 マディソン滞在制作日記


by mag-ikeda

池田学 / IKEDA Manabu

画家。1973年佐賀県多久市生まれ。1998年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。
2000年同大学院修士課程を修了。 2011年から1年間、文化庁の芸術家海外研修制度でカナダのバンクーバーに滞在。
2013年6 月末より、アメリカ・ウィスコンシン州マディソンにて滞在制作を開始。

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【第107回】「保険に振り回される」

バイデン大統領の就任式当日。

雲ひとつない青空からは暖かな光が降り注ぎ、天気までが新しい時代の到来を祝福しているようです。家族みんなで就任セレモニーをテレビで見ていると1本の電話が鳴りました。

出てみると医療保険会社からの電話。

 

日本と違いアメリカでは国民健康保険というものはなく、毎年数あるプランの中から自分で選んで買わなくてはならず、毎月の支払いがかなり高額な上に手続きも非常にわずらわしいのです。

そして我々が最もストレスを感じるのがプランの申請をする上で必要な、この保険会社との電話。

アメリカに住んでいると、いろいろとアテにならないことが多いのですが、この会社の電話はその最たるもので、毎回何かしら振り回されます。


こちらからかけた場合、まず延々と待たされる。

30分ほどたってようやく担当者が出ても、話の途中で通話が切れることもザラ。

またかけるとこからやり直し、ようやく繋がっても、さっきとは違う担当者が出てくるので前回話した内容をまた1から説明しなければならず、非常に面倒くさい。

そのあげく前とは真逆のことを言われたりする。

例えばある担当者に言われて、パスポートを提出したり書類を書いたりして手続きを進めてきたのに、最後に別の担当者から、「あなたはアメリカ市民じゃないから保険を買うことはできません」と身もふたもないことを言われたこともあります。

「いや前の担当はこう言った」と言っても「それは知らないけどこうだから」の一点張りで、これまでかけた時間の喪失感、徒労感といったら… アメリカ市民ではないことは最初に伝えているのにです。

またこんな事もありました。

最初電話に出た担当者に家族構成などの基本情報を伝えた時のこと。娘が3人いてお腹に赤ちゃんがいるということを伝え、その情報をもとに申請を進めていたのですが、数ヶ月後の書類の確認の時になってなんと三つ子を妊娠してるということになっているではありませんか!

ちなみに手続きは通訳さんを介して進めます。

にも関わらずこの間違い…。

呆れて開いた口が塞がりませんでした。

他にも僕の職業が土木業ということになっていたり、もうなんでもアリです。


そもそもこのご時世になぜ顧客の情報を社員で共有できていないのか不思議でなりませんがとにかく、そうなんです…。

ごく稀に日本人のように丁寧で気が利く優秀な担当者に当たったりすると、抱きついて惜しみない賛辞を送りたくなるほどです。


運よくことが運んでもまだ安心はできません。

2時間近いやり取りのすえにようやく申請が終わり、「あとは受理されるのみ」とホッとして電話を切るも数週間後に送られてきたのが、「早く申請をしろ」という督促状。

あろうことか担当者が申請書を本社に提出していないのです!

どうなってるのか問いただすためにまた電話するもまた違う担当者!

また最初から説明!!

また違うこと言われる!!

漫画のようですがホントの話です。


さて冒頭の電話ですが、なんと奇跡的に優秀な担当者からでした。

彼いわく、「私の調べではあなた達が去年まで入っていた保険プランは担当者のミスにより安く設定されていましたが、今年からはこのプランには加入できません。」

マジか…。

有能な彼のおかげで今年からはこれまでの数倍高い金額を毎月支払うことになりそうで、この時ばかりはいつもの担当者達に賛辞を送りたくなりました…。

(佐賀新聞2021年2月掲載)

【第107回】「保険に振り回される」_b0290617_14373610.jpg

次回は10月16日(土)更新予定です。



by mag-ikeda | 2021-10-09 14:40